株式会社エムティーアイ
今年、設立25周年を迎えた株式会社エムティーアイ(以下、エムティーアイ)は、音楽・動画・書籍を配信する総合Webサイト「music.jp」や女性の健康情報サービス「ルナルナ」などのヘルスケアサービスを手掛ける東証一部上場の企業です。社員数は連結で1,200名を超える企業ですが、本社機能の中にある経理部では、そのうち800名以上の従業員の経費精算を、社員3名で処理しています。
「毎月、経費申請用紙のスキャンに丸1日かかっていました」
そう語ったのは、経理部の中島さん。法人プリペイドカード一体型経費精算サービス「Staple」導入を推進した立役者です。
「最初は(導入に)気が乗らない雰囲気もありました。でも今は、特に営業現場からの評判が良いです」
出張の多い営業部にとって、モバイルSuicaと連携した「Staple」は、交通費や宿泊費の立替精算や入力の手間を省けるといった点でメリットが大きいそうです。
元々の経費精算システムでは成し得なかった「ペーパーレス化」と「キャッシュレス化」を実現することで、社内に起きた大きな変化とはーー
新たな事業領域にチャレンジしながら、スマートワークスタイルの実現も目指すエムティーアイ社の「Staple」導入ストーリーを伺いました。
ーー約800名分の経費申請用紙のスキャンに丸1日。コロナ禍でも、「経費精算のために出社」
経理部長の佐藤さん:ITの会社であっても、経理業務では紙ベースでの管理が多いと思っていました。エムティーアイでは従来、経費精算システムに各従業員が入力した後、紙の領収書を提出させ、経理部にてスキャンし、入力されたデータと1つずつ突き合わせるといった「紙ありきのフロー」になっていました。毎月この作業に丸1日をかかりきりになってしまうのは、経理部にとっても大きな負担でした。
インタビューの中で経理部長の佐藤さんが漏らした本音は、多くの企業で、経費精算処理のフローにおける「ペーパーレス化」が進んでいない事実を浮かび上がらせるものでした。
経理部の中島さん:私たちも本当に悩みました。その理由は、コロナ禍でも、完全にテレワーク化できなかったこと。従業員が領収書をスマホ撮影で提出するだけでは電子帳簿保存法の要件を満たすことが出来なかったため、従業員も経理部の社員も、「経費精算のために出社」をせざるを得ない状態でした。
ーー「気が乗らない雰囲気」から一転、営業現場から「圧倒的に楽になった」と評価
エムティーアイが「Staple」を全社導入したのは2021年の2月から。当初は、従業員から「Staple」の導入に「気が乗らない雰囲気があった」そうです。既存のツールから切り替えることの心理的ハードルは高かったことが伺えます。
ところが、いざ導入が始まると、そういった雰囲気はなくなり、特に営業現場からの良い評判が伝わってきたそうです。
ファーマシー営業統括部の中田さん:出張経費や移動にかかる交通費、宿泊費のほか、手土産を買ったり、現地で資料をコピーする際の費用など、様々な用途で「Staple」を活用しています。これまでは1週間に一度、30分以上かけて経費申請を上げていましたが、今では圧倒的に楽になり、1ヶ月分をまとめて、40分程度でできています。
「Staple」はモバイルSuicaと連携しており、オートチャージにも対応。電車の利用経路も自動的に入力されます。従来は「記憶をたどりながら路線検索で調べなくてはいけなかった」交通費の申請において、時間も労力も大きく削減できたそうです。
ーースマートフォンで領収書の写真を撮って、その場で完結
同営業部の下田さん:「Staple」のOCR(文字認識)機能に驚きました。タクシー等の領収書も、(「Staple」アプリで)写真に撮って取り込んだ時点である程度の文字情報も判別してくれます。タクシー会社の名前が自動的に入力されるなど請求先の詳細情報入力の手間も省けています。
経理部の中島さん:「Staple」と連携したプリペイドカード「Stapleカード」で精算した情報もアプリに反映されるため、「数字の入力間違い、日付・金額間違い、異なる領収書添付等の発生頻度も格段に減りました。差し戻しのコストも減ったと導入効果を実感しています。
ーー紙の対応が8~9割減った
中島さんが特に効果を実感しているのは、「Staple」導入によるペーパーレス化の実現。
中島さん:前述のスキャン作業に関しては100%なくなりました。電子帳簿保存法上、領収書の原本が必要になることがあるので、従業員には後日まとめて提出してもらっていますが、日付ごとに並べ替えるといった作業は発生しなくなりました。これにより、紙の対応は8~9割減りました。
チェック業務や承認作業においても、「Staple」では軽減税率の割合といった「間違えやすい科目」に絞って電子明細書と照合することができるため、これまでの「領収書を1枚1枚照らし合わせていた」場合に比べて3~4割程度の業務効率化が図れているそうです。
ーー小口現金の管理がなくなり、決算業務も負担減
多くの企業で現在も負担となっているのは、備品購入の際などで立替が出来ない場合に必要な小口現金の管理。エムティーアイでもこれまで、前渡し用の現金を用意しており、決算時には帳簿合わせ作業が必要でした。ところが、プリペイド式でチャージが可能な「Staple」の導入により、小口現金の管理がなくなり、決算時の業務負担も軽減されたといいます。
中島さん:備品なり、セミナー費用なり、交通費、宿泊費なり、すべてStapleカードをクレジットカードのように使ってもらっています。「ペーパーレス化」に加えて「キャッシュレス化」も実現したことで、払い出しの工数や振り込み手数料まで減らすことができています。
ーー経費精算処理の作業時間は約1/3に
中島さん:「Staple」導入後、経費精算処理の作業時間は半減しました。
経理部の川名さん(「Staple」を実際に運用するメンバーの一人):スキャン作業をしていた1名分の稼働が丸々フリーになったことをはじめ、様々な業務を効率化できたことで、他の業務をしたり、業務のローテーションが可能になりました。スマートワークスタイルを推進する上で、非効率な業務に固定メンバーが手を取られる状況を打開することは同社にとって急務でした。
様々な非効率業務を、「ペーパーレス化」と「キャッシュレス化」を同時に推進していくことで改善し、従業員の新たなチャレンジのための時間創出を行っているエムティーアイ、今後も「Staple」の活用の幅が広がっていくことが期待されます。
※集合写真と個別写真は、撮影の時間のみマスクを外しており、十分な感染防止対策を行った上で実施頂きました。
企業名:株式会社エムティーアイ
事業内容:コンテンツ事業、ヘルスケア事業
従業員数:1,295名(連結・2021年9月30日現在)
設立年度:1996年8月
公式サイト:https://www.mti.co.jp/