イニシャルコストとランニングコスト、何が違う? それぞれの意味と事例を紹介

2022-05-19
initial cost

ビジネストークでよく聞くイニシャルコストとランニングコスト。いったいどういう意味でしょうか。コストとついているからにはお金に関係していることは間違いありません。

意味の違いを知っておくと、商談や企画の打ち合わせシーンでの意思疎通がスムーズになります。

▌イニシャルコストとは

イニシャルコストの「イニシャル(initial)」とは、日本語にすると最初の、初めの、初期のという意味があります。コスト(cost)は費用ですから、初期費用、導入費用という意味で使われます。何かを始めるとき、最初に必要になるお金、初回払うお金の総称ともいえます。

キャンペーンなどで見られる「今なら初期費用0円!」というのは、そのサービスを利用する際、最初に払うとされているさまざまな費用が無料になるということです。

▌ランニングコストとは

ランニングコストの「ランニング(running)」には、運営する、経営する、管理するという意味があります。つまり、何かを継続して運用していくために定期的に必要になる、払い続ける費用の総称です。

たとえば月々のシステムの維持費、人件費、消耗品の購入代金、サービスの月額または年額利用料金、毎年発生する保険料などがあげられます。

▌イニシャルコストとランニングコストの違い

イニシャルコストとランニングコストは、それぞれ発生するタイミングと支払う回数が異なります。

イニシャルコストは何かを始める、導入する際、契約の始めに支払います。ランニングコストは何かサービスを始めた後、または利用し始めてから継続するために月々支払います。

つまり、何かを初めて継続する場合、全体としてかかるコストは

イニシャルコスト(最初に1回だけ支払う)+ランニングコスト(継続している間支払う)となります。

▌イニシャルコストとランニングコストの例

たとえばイニシャルコストとランニングコストの例として、以下のようなものがあげられます。

引っ越しをして新しい生活を計画している

  • イニシャルコスト:不動産屋で契約する際に必要になる保険料、家賃1か月分、敷金、礼金、仲介手数料、家具、電化製品の購入費など。
  • ランニングコスト:毎月の家賃、光熱費、通信料、保険料などの固定費のほか、食費など。
  • 脱サラしてフリーランスで働きたい

  • イニシャルコスト:仕事をするために必要な機材の購入費用、名刺作成代、ドメイン取得費用やサイトの作成費用、オフィスやインターネット回線などのインフラの準備費用など
  • ランニングコスト:インターネット回線やアプリの費用、交通費、消耗品の購入費など。
  • 独立して株式会社を設立したい

  • イニシャルコスト:資本金、定款の収入印紙代、定款認証手数料、謄本手数料、登録免許税、司法書士等の専門家に頼む場合の費用(任意)、印鑑証明等の手数料のほか、オフィスの契約費用、オフィス機器の購入費、会社のサイト制作に関する費用など
  • ランニングコスト:オフィスの家賃、光熱費、人件費、オフィス機器のレンタル料金、消耗品の購入代金、接待交際費、交通費など。
  • 会社で新しいシステムを開発したい

  • イニシャルコスト:見積もり費用、手続き費用、ハードウェアなどの設備の購入費用、登録費用、システム開発費用など
  • ランニングコスト:サーバーの保守費用、ユーザーサポートのための人件費など
  • running cost

    ▌まとめ

    何かを始める際、どれくらい費用がかかるかを考える上で必要になるのがイニシャルコストとランニングコスト。ビジネスシーンでは全体としていくらかかりそうか見積もって、実現可能かどうか考える際によく使われます。

    たとえばイニシャルコストに1000万円かかり、毎月の売上げが200万円、ランニングコストが150万円だとすると、月々の利益は50万円。イニシャルコストの回収に20か月かかるため、つまり1年9か月目からやっと利益がでる計算になります。

    このようにイニシャルコストとランニングコストを把握することは、計画的な運用に欠かせない知識となります。

    何かを始めるにあたり、イニシャルコストは低いほうがいいですし、利益を出し続けるにはランニングコストも、低いに越したことはありません。

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