企業の必須業務「経費管理」。その必要性と効率化を図る方法とは

2021-09-30
counting money

経費管理は、どの企業においても必要不可欠なプロセスです。企業としての支出を細かく管理する業務ですので、正確な利益を算出したり、会社の財産を確保したりと、利益を最大化させるための重要な役割を担っています。

そこで今回は、経費管理の概要と合わせて、まず押さえておくべき言葉、実施していく上でのハードルについてご紹介します。合わせて、経費管理を効率化する方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

経費管理とは

経費管理とは、交通費や交際費をはじめとする企業の支出(=経費)を管理することを指します。企業が利益を出すためには、支出をいかに抑えられるかが重要になります。そのため、経費管理を通して「企業のお金が適切に利用されているかどうか」を確認し管理することは、どの企業においても必要不可欠なプロセスです。

経費管理で押さえておくべき言葉

経費管理を行う上でまず押さえておくべき言葉として、「固定費」と「変動費」の違い、および「原価」と「販管費」の違いが挙げられます。

固定費と変動費の違い

経費は、主に「固定費」と「変動費」の2つに分けることができます。「固定費」は、売上の増減に関わらずかかる費用のことで、例えばオフィスの賃貸料や人件費が該当します。「変動費」は、売上や販売量、生産量に応じて変動する費用を指し、原材料費や販売手数料が当たります。基本的にはまず固定費について見直すことで、「経費の無駄遣いはなかったか」「イレギュラーな支出はないか」などを確認しやすくなります。

原価と販管費の違い

「原価」(ここでは売上原価を指す)は、売上を上げるために直接的にかかる費用のことで、製造や仕入れにかかった費用を指します。「販管費(販売費および一般管理費)」は、売上を上げるために間接的にかかる費用のことで、営業活動や販促活動、間接部門の人件費などが挙げられます。かかった経費が売上原価(変動費)なのか、販管費(固定費)なのかは、従業員側の経費精算の際にもきちんと仕分けしなければならない一方で、この違いについて従業員に正しく理解をしてもらうには難しさもあるのではないでしょうか。

これらの言葉を押さえた上で、適切な経費管理を行うためのポイントをみてみましょう。

経費管理で大切なこと

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企業活動を遂行するうえで必要不可欠な経費管理には、以下2つのステップがあります。

経営分析をアジャイルに行うために、リアルタイムにキャッシュフローを把握すること

経費管理は「正確な経営分析」を行ううえで必要不可欠と言えます。企業の利益を把握するために、売上金からその事業にかかった経費を差し引かなければならないためです。特に、VUCA(*)の時代と言われている現代においては、経営分析をよりアジャイル(=俊敏)に行っていく必要があり、その指標となるキャッシュフローをリアルタイムに把握することが大切です。

(*)VUCA:「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を並べた造語で、不確実性が高く将来の予測が困難な状況であることを示しています。

資金需要を正確に予測するために、ミスなく経費を入力してもらうこと

「自社のそれぞれの事業において、どれほどの経費がかかるか」を予測することは、企業活動を計画的に進めるうえで大切なことです。経費管理を行うと、何にどれほどの支出が発生したのかを確認し把握できるので、資金需要の予測がしやすくなります。一方で、従業員が入力した経費が「原価」と「販管費」を間違えて登録されていたり、経費申請に漏れがある場合は、この資金需要はおろか、売上総利益や営業利益を正確に把握することができなくなってしまいます。

経費の借り入れ状態を最小限に抑え、きちんと内部統制を敷き、監査にも備えること

従業員が経費を立て替えた場合は、速やかに返金しましょう。建て替えた経費は従業員の持ち出しであり、企業が現金を借り入れている状態が長くなりすぎると、従業員が会社に対して不信感を持ってしまう恐れがあるだけでなく、従業員の生活に影響を与えてしまう可能性もあります。さらには、帳簿の修正を行う必要が出てきて、経理担当者の工数を増やしてしまうことも考えられます。正しく内部統制を敷くためにも、そして業務の効率化を図るためにも、実際に立て替えた日から返金日までのタイムラグはなるべく短くするようにしましょう。

経費管理を実施していく上での課題点

経費管理は、企業の財産や利益に大きく関わる重要な業務です。一方で、適切に経費管理を実施していく上での現場の悩みの声も多く聞かれます。

経費精算を月末にまとめて行う企業がほとんどで、それを基に月次を締めてから分析を行うと遅行指標となってしまう

経費管理を行う前提である、従業員の経費精算は、一般的な企業では月末に締めるパターンが多いのではないでしょうか。一方、アジャイルな経営分析を行う上で、かかった経費が1ヶ月後に締まるというタイムラグは、キャッシュフローを把握するには一ヶ月程度の遅行指標となってしまいます。

紙の領収書で、社員が手入力で行うため、紛失リスクや入力ミスが発生してしまう

現在もほとんどの経費精算は紙の領収書を月末に従業員が手入力で入力しているのではないでしょうか。こうしたフローには領収書の紛失リスクや、入力ミスといった非効率も生じやすく、正しく経費管理を実施していく上での課題となっています。

従業員から経費申請を受けた際は、その支出が経費に該当するかどうかを確認する業務が発生します。特に、原価と販管費の違いが理解されていないまま、経費申請をしてしまうケースも多く、念入りにチェックすることが必要です。

出張や接待が多い部署の社員は、立替精算が多くなりがちになってしまう

出張や接待、外回りなど、主に営業活動にあたる従業員は、個人の一時的な持ち出しである立替精算がおおくなりがちになってしまいます。カードの限度額に達するほどの立替は、生活にも影響を及ぼす可能性もあるため、小口現金による精算や法人カードの利用によって立替額を最小限に抑える工夫が必要です。

経費管理の課題を解決するには

法人キャッシュレスの導入で、紙の領収書の保管と入力ミスを削減

2020年10月の電子帳簿保存法改正により、キャッシュレス決済における紙の領収書が不要になりました。

これまではキャッシュレス決済であっても、電子帳簿保存法に基づいて領収書をもらい、後にスキャンなどして電子データ化し、タイムスタンプを付けて保管する必要がありました。しかし今回の改正で、キャッシュレス決済においては、その利用明細データをそのまま領収書として代用することが認められるようになりました。領収書をもらう代わりに利用明細データを利用できるため、領収書のスキャンや電子データ化にかかる手間や、入力ミスを大幅にカットすることが可能になります。ただし、国税関係の要件を満たすために、電子帳簿保存法に対応したサービスを導入することが求められます。

立替精算自体をなくすための「法人プリペイド」という選択肢も

個人による立替を削減するためには、「法人カード」という選択肢があります。一方、法人クレジットカードは与信審査のハードルがあり、従業員全体に行き渡らせる点において難しさもあります。そこで、与信審査不要な「法人プリペイド」を導入する企業も増えてきています。

「法人プリペイド」であれば購入履歴を電子データとして提出できるため、上手に活用すれば作業効率化に加え社内のペーパーレス化を実現することが可能です。従業員一人ひとりと直接的なやり取りをする手間を省けますし、証憑書類をファイルにまとめたり場所を確保して保管したりする必要もなくなるため、より効率的に経費管理を行えるようになります。

法人プリペイド「Stapleカード」ならできること

クラウドキャスト株式会社の「Staple(ステイプル)」は、経費立替や精算作業を限りなくゼロに近づけることを目的としたクラウド型経費精算サービスです。スマートフォンの Stapleアプリで領収書やレシートを撮影すると、タイムスタンプが付与され証憑化される仕組みになっているので、ペーパーレスによる働き方改革を実現できます。また、既存のフォーマットにプラスして会社特有の申請ルールを登録できるため、自社に合った仕様にして活用することが可能です。

経費管理を行う経理担当者にとってもメリットは多く、

・決済と同時に経費精算が完了するため、経費がリアルタイムに把握できる

・手入力が不要なため、入力ミスを削減できる

といったポイントは、上述した経費管理の課題を解決する上で重要な要素です。

さらに、Staple(ステイプル)を「Stapleカード」と合わせて使用すれば、さらなる効率化を図れます。Stapleカードは、国内外のVisa加盟店にて利用できる法人プリペイドカードです。与信審査がないので、設立して間もない企業も導入できますし、上述したStaple(ステイプル)と一体化しているため、経費管理を楽に行うことが可能です。

「経費管理の効率化を図りたい」「経理担当者の負担を軽減したい」という企業さまは、ぜひこの機会にStaple(ステイプル)・Stapleカードの導入をご検討ください。

Staple(ステイプル)の詳しい情報はこちら