
業務に関する電車移動で日常的なもの、たとえば地下鉄で数駅先の客先に行くといった移動に関して、交通費の精算時に領収書の提出を求められることはほぼないといっていいでしょう。従業員が列車に乗る度に領収書を発行させていたら移動する従業員も、確認する経理担当者も大変です。
では新幹線はどうでしょうか。
ここでは新幹線のチケットに関する領収書の必要性や、万が一領収書を紛失したときの再発行の仕方についてご説明します。
▌新幹線は領収書が必要!
比較的短い距離を移動する日常的な電車移動の場合、交通系ICカードが普及したことや、インターネットを使えば移動区間の料金がすぐ調べられることもあり、交通費精算で領収書を求められることはありません。すべてに領収書を求めていたら移動がスムーズにできなくなるだけでなく、従業員の多い企業ほど経理業務の負担になってしまいます。
ただし、新幹線の領収書は必須と考えたほうがいいでしょう。移動距離が長く、料金が1万円を超えるなど高額になることが多いためです。税務調査が入った場合、経費として証明できるもの、つまり領収書が必要になるのです。
領収書が必要なケースについては、自社の社内規定に定められているので、確認してみてください。

▌新幹線の領収書をもらう方法と注意点
新幹線の領収書をもらう方法は購入場所などによって以下のパターンがあります。
駅の窓口(みどりの窓口)で購入するとき
切符を受け取る際、一緒に「ご利用票兼領収書」を受け取ります。
自動券売機で購入するとき
「領収書発行ボタン」を押し、領収書を発行します。
オンラインで購入するとき
利用したサイトの領収書表示サービスでデータをダウンロードします。
例)JR 領収書表示サービス(JR東日本/JR西日本、東海道・山陽新幹線)
EX予約専用ICカード(※)を使うとき
新幹線乗車時に改札機から「EXご利用票」が出力されるので、忘れずに回収します。
※エクスプレス予約を利用するための新幹線乗車専用ICカード
金券ショップなどで購入した場合
領収書の発行をお願いします。
上記のうち、自動券売機の領収書ボタンや、EX予約専用ICカード利用時の「EXご利用票」は受け取り忘れないよう注意しましょう。
モバイルsuica特急券やEX予約専用ICカードなどのチケットレスサービスで購入した場合は、駅の窓口を使いませんし、切符そのものもありませんので、領収書の表示サービスがおすすめです。
ただし、領収書表示サービスはサービスによって表示回数や利用できる期間が異なり、場合によっては1回しか表示できないところもあります。購入する前にどこを見ればいいのか確認するとともに、あとで印刷できるように、データとしてダウンロードしておきましょう。
ちなみにデータのダウンロードでありがちなのは、どこにダウンロードされたか分からなくなった、見方がわからないというケースです。そうならないように、パソコン、スマートフォンいずれも事前に確認しておくことが大切です。

▌新幹線の領収書再発行方法
うっかり領収書をもらい忘れてしまった、紛失してしまったという場合の対応は以下の通りです。
切符の使用前に気づいた
切符を購入した窓口に行けば再発行してもらえるので問い合わせてみましょう。
乗車中に気づいた
乗車中に領収書がないことに気づいたら、改札から出る前に窓口に行って相談してみましょう。乗車区間によっては再発行してもらえます。
JR東日本で買って、JR西日本のエリアで下車した場合など、JRでもエリアが違うと領収書を発行してもらえません。切符には乗車区間と運賃・特急料金が印字されているため、領収書の再発行が難しい場合は、そのまま切符を領収書の代わりに持ち帰ることができます。
改札を出たあとに気づいた
改札を出て切符も回収されてしまった場合、現金支払い以外なら履歴や明細を領収書代わりにできるかもしれません。
使用済みの切符やカードや電子マネーの支払い明細を領収書の代わりに使えるかどうかは会社に確認しましょう。
なお、切符もなく、現金で購入しているのに領収書がない場合は会社に相談しましょう。

▌新幹線の領収書があったほうがいいもう1つの理由
税務上の経費証明や社内規定のほかに、新幹線の領収書があったほうがいいもう1つの理由があります。それは新幹線の特急料金が一定ではないためです。
新幹線のチケットの値段は、運賃(乗車券)と特急料金(特急券)、グリーン料金の有無で構成されています。
運賃は距離に応じて変わりますが、新幹線以外の列車でも値段は同じです。
特急料金は新幹線に乗車するための料金で、これも距離に応じて変わります。運賃と違うのは、自由席か指定席かで値段が変わるほか、乗車する列車種別や通常期、繁忙期、閑散期といった季節の分類によっても値段が違うことです。繁忙期は200円増しになり、閑散期は200円引きになるのです。
グリーン料金はグリーン車を指定すれば追加されるオプション料金です。こちらも列車ごとに実際に乗車する距離に応じて変わります。
通常インターネットで検索して料金を調べる場合、季節の分類は反映されているので調べられますが、どうしても座りたくて指定席にした、繁忙期で通常の指定席が取れなくてグリーン車を利用するしかなかったという場合、料金の計算が面倒になることが考えられます。
さらに現金で支払って領収書がなく、後日インターネットで料金を確認するとなると、タイミングによっては実際に支払った金額と異なる可能性も考えられます。
くれぐれも新幹線の領収書はもらい忘れないように、また紛失しないようにしましょう。

▌まとめ
料金が高額になりやすい新幹線の領収書は必要です。万が一紛失した場合、どのような形まで容認してもらえるかは会社のルール次第ですので、事前に確認しておくことが大切です。
発行された領収書は紛失しないように注意してください。紛失癖のある方は、切符や領収書を受け取った段階でスマートフォンで写真を撮るなど予防策を講じておくことをおすすめします。
従業員が新幹線の領収書を必要とするもっとも一般的な場面は、立て替えた交通費の精算でしょう。高額なので精算するまではなくさないか心配になるはずです。そんなときクラウド型の経費精算システム「Staple(ステイプル)」 が役立ちます。
「Staple(ステイプル)」は経費精算をキャッシュレスかつペーパーレスで行えるのが大きな特徴です。従業員に精算が必要な立て替えが発生した場合、領収書をスマートフォンで撮影してその場で精算することができるため、精算が終わるまで大事な領収書を保管し続ける必要がありません。
また、「Staple(ステイプル)」と連携し、VISAの加盟店で使えるプリペイドカード「Stapleカード」 を使えば、仮払金の申請や受け取りもキャッシュレス。新幹線のチケットを購入する際、オンラインでも窓口でも「Stapleカード」を使えば、購入記録をそのまま経費精算システムと連携させることができます。